平成16年8月、冬月の高校時代からの友人・神鏡学斗(当時はハムスターと名乗っていた)が、自らのHP『異邦人達の終着駅』(現Lemon slice)と交流のあるサイトや友人知人に送った暑中見舞い。冬月の元にも届き、高校卒業後冬月が初めて目にする神鏡学斗の作品となりました。
この暑中見舞いは総合安全保障審議会の常任理事である当サイト顧問の外蛯沢氏にも送られ、無類の猫好きとして有名な氏が絵の中に描かれた猫を見て大いに喜び、それまで審議会グループとあまり接点の無かった『異邦人達の終着駅』の存在はこれ以後審議会内で一躍注目されるようになって、冬月もこのサイトの活動を日々チェックするようになりました。2005年11月には冬月自身がサイト運営に参加して小説を公開、今日に至るネット上での創作活動における神鏡・冬月同盟関係が築かれたのです。その点でこの作品は、冬月が神鏡学斗のサイトに大きな関心を抱くようになったきっかけとして、重要な意味を持っています。
神鏡初期の作風を代表するこの作品は、後の鮮烈な色使いとは異なり、柔らかい雰囲気の独特な温もりで描かれています。木々の間からさす木漏れ日は物の線を明瞭にする事を避け全体的にぼんやりとした空間を生み出し、中央に寝そべって微かに微笑んでいる眼鏡をかけた中性的なエルフは、夏らしい活発さよりもむしろ知性を持って落ち着いた様子です。傍らで丸まって眠る猫、エルフと猫の身体を優しく包み込んでいるかに見える草もまた、落ち着きと温もりを与えています。
夏真っ盛りのぎらぎらとした世界ではなく、どちらかというとぽかぽかとしたお昼過ぎの木陰の光景。
緑色にまとめられた穏やかな作品、その後の彼の作品と較べると一見地味ではありますが、しかし確かな才能を感じさせる一枚です。(解説:冬月)

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